鈴木紗理奈「女性ホルモンが1ミリもない」は本当?|子宮腺筋症・ミレーナ・更年期を産婦人科医が解説

女性ホルモンの低下に不安を覚える女性|鈴木紗理奈「女性ホルモンが1ミリもない」報道

鈴木紗理奈「女性ホルモンが1ミリもない」は本当?|子宮腺筋症・ミレーナ・更年期を産婦人科医が解説

女性ホルモンの低下に不安を覚える女性|鈴木紗理奈「女性ホルモンが1ミリもない」報道

鈴木紗理奈「女性ホルモンが1ミリもない」は本当?|子宮腺筋症・ミレーナ・更年期を産婦人科医が解説

メディコレマーク|メディコレWEBを通じた医師監修済み記事の認証バッジ|産婦人科専門医が監修|2026年3月31日

この記事はメディコレWEBを通じた医師監修を受けています。

タレント・鈴木紗理奈さん(48)が2026年3月末、自身のInstagramで「定期検診の結果、女性ホルモンが1ミリもないと診断された」と公表し、大きな反響を呼んでいます。同時に、長年抱えてきた「子宮腺筋症」という病気の存在と、その治療としてミレーナ(レボノルゲストレル放出子宮内システム)を装着していることも明かしました。

「女性ホルモンがゼロ」と聞くと驚く方も多いかもしれませんが、これは閉経前後の女性に起こりうる生理的な変化です。また、子宮腺筋症は平均20〜30%程度の罹患率が報告されている決して珍しくない疾患でありながら、認知度はまだ高くありません。

本記事では、鈴木さんの公表内容をもとに、「女性ホルモンがゼロ」とはどういう状態か、子宮腺筋症とはどのような病気か、そしてミレーナをはじめとする治療選択肢について解説します。

鈴木紗理奈さんのInstagram投稿|何を公表したのか

女性ホルモンの減少に悩む女性|鈴木紗理奈さんのInstagram投稿

「女性ホルモンが1ミリもない」と診断された経緯

鈴木さんは2026年3月29日、自身のInstagramおよびストーリーズで、定期検診の結果として女性ホルモンがほとんど検出されなかったことを報告しました。渡米中に激しいめまいを経験したことがきっかけで、その原因が女性ホルモンの低下にあることが判明したといいます。

担当医師からは「女性ホルモン出すので飲んでね」と処方を受けたとのことで、ホルモン補充療法(HRT)の開始が示唆されています。

子宮腺筋症とミレーナの告白

さらに鈴木さんは、「わたし、子宮腺筋症という病気で、その症状を悪化させない為に子宮にミレーナという器具を入れてるので、そもそも生理が来ないのです」と説明しています。

若い頃はピル(低用量経口避妊薬)を服用していたものの、飲み忘れのリスクと血栓症への不安からミレーナに切り替えたとのことです。

「大人の思春期」|公表に込めた思い

鈴木さんは今回の公表について、「性別関係なく1人の人間として生きていける、謳歌していける素晴らしい人生が始まるのに、人に言いにくいとか、女として終わってしまうのかとか、不安抱えたり、恥ずかしいことみたいに思うのは違うと思って」と理由を説明しています。

更年期に差しかかるこの時期を「大人の思春期」と前向きに捉え、「一昔前は生理のことやPMSも言えない世の中やったけど今は違う。大人の思春期もそんなふうになればいいな」というメッセージを発信しています。

「女性ホルモンがゼロ」とはどういうことか

エストロゲンの役割と閉経のメカニズム

「女性ホルモン」と一般的に呼ばれるのは、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。特にエストロゲンは、月経周期の調節だけでなく、骨密度の維持、血管の柔軟性、肌や粘膜の健康など、全身のさまざまな機能に関わっています。

一般的に、女性ホルモンの分泌量は20代前半にピークを迎え、35歳頃から緩やかに減少し始めるとされています。ただし、変動の時期や速度には個人差があります。そして閉経(日本人女性の平均は約50.5歳とされています)を境に急激に低下し、閉経後はエストロゲンの分泌がほぼゼロに近づいていきます。

「ゼロ」は病気ではなく、生理的な変化

鈴木さんが「女性ホルモンが1ミリもない」と表現した状態は、血液検査でエストラジオール(E2)の値が極めて低い状態を指していると考えられます。

閉経前後の女性(いわゆる更年期)では、エストロゲン値が大きく変動し、やがて低値で安定します。これは卵巣機能が自然に低下する過程であり、すべての女性に起こりうる生理的な変化です。

ただし、エストロゲンの急激な低下は、ホットフラッシュ(ほてり・発汗)、めまい、不眠、気分の変動、骨密度の低下など、さまざまな更年期症状を引き起こす可能性があります。鈴木さんが経験した「天地がひっくり返るようなめまい」も、こうした更年期症状の一つだった可能性がありますが、めまいには他にもさまざまな原因が考えられるため、断定はできません。

検査値の見方|注意したいポイント

女性ホルモンの数値は月経周期の時期によって大きく変動するため、1回の検査結果だけで判断することは難しいとされています。また、ミレーナを装着している場合は月経が止まることが多いため、通常の月経周期による判断が難しくなります。

女性ホルモンの低下が疑われる場合は、婦人科での定期的な検査と、医師による総合的な判断が重要です。

子宮腺筋症とは?|知っておきたい基本知識

婦人科を受診する女性|子宮腺筋症の基礎知識

子宮腺筋症の定義と発生メカニズム

子宮腺筋症は、本来子宮の内側(子宮内腔)にある子宮内膜に類似した組織が、子宮の筋層(子宮筋層)の中にできてしまう疾患です。

この異所性の組織は、正常な子宮内膜と同様に月経周期のたびに増殖と剥離を繰り返します。しかし、筋層内に閉じ込められているため、血液が体外に排出されにくく、結果として子宮の筋層が肥厚し、子宮全体が大きくなっていきます。

よく似た疾患との違い

医療コンテンツ担当者の方が混同しやすい疾患として、子宮内膜症と子宮筋腫があります。

子宮腺筋症と子宮内膜症はいずれも子宮内膜に類似した組織が原因となる疾患ですが、その発生場所が異なります。子宮腺筋症は子宮筋層「内」に病変ができるのに対し、子宮内膜症は子宮「以外」の場所(卵巣、腹膜など)に組織が発生します。

一方、子宮筋腫は子宮の平滑筋から発生する良性腫瘍で、こぶ状の塊を作ります。子宮腺筋症は多くの場合こぶを作らず、筋層全体がびまん性に肥厚する特徴がありますが、結節性(腺筋腫/adenomyoma)として局所的に腫瘤を形成するケースもあり、筋腫との鑑別が難しい場合があります。なお、これら3つの疾患は合併することも少なくありません。

有病率と好発年齢

子宮腺筋症の正確な有病率は明らかになっていませんが、日本における罹患率は報告によって5〜70%と幅があり、平均20〜30%程度とされています(日本産婦人科医会)。また、日本内分泌学会によると、手術で摘出された子宮を病理検査で調べると20〜60%程度に認められるとされています。

好発年齢は30代後半から40代ですが、近年では20代での発症も報告されています。経産婦に多いとされる一方、出産経験のない方にも発症する可能性があります。

主な症状

子宮腺筋症の代表的な症状は、強い月経痛(月経困難症)と月経量の増加(過多月経)です。

月経を重ねるたびに症状が悪化していく傾向があり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。過多月経による貧血、月経時以外の下腹痛や腰痛なども報告されています。また、不妊症の原因となる可能性も指摘されています。

エストロゲンの影響を受けて病変が進行する傾向があるため、無治療の場合は閉経まで症状が悪化していく可能性があります。ただし、進行の速度や症状の程度には個人差があります。一方、閉経後にはエストロゲンの低下に伴い、病変は縮小し、症状も改善することがほとんどとされています。

子宮腺筋症の治療選択肢

薬物療法

子宮腺筋症の治療は、症状の程度、年齢、妊娠の希望などを総合的に考慮して選択されます。

対症療法:鎮痛薬や鉄剤(貧血がある場合)などが用いられます。

ホルモン療法としては、以下の選択肢があります。

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP/低用量ピル):排卵と子宮内膜の増殖を抑え、月経痛や過多月経の軽減が期待できます。ただし、血栓症のリスクがあるため、40歳以上の方や喫煙者などには慎重な対応が求められます。鈴木さんが「飲み忘れと血栓が怖くてミレーナに変えた」と述べた背景には、こうしたリスク認識があったと考えられます。

黄体ホルモン製剤(ジエノゲストなど):子宮内膜の増殖を抑える作用があり、月経痛や慢性疼痛、子宮の腫大に対して有効とされています。長期投与が可能ですが、不正出血が副作用として報告されています。

レボノルゲストレル放出子宮内システム(ミレーナ):鈴木さんが使用していると公表した治療法です。子宮内に装着し、最長5年間にわたり黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を子宮内に持続的に放出します。2014年から月経困難症・過多月経の治療として保険適用となっています。子宮内膜を薄く保つ作用により経血量が減少し、月経痛の緩和も期待できます。全身への影響がピルに比べて少なく、血栓症のリスクがないとされるため、ピルが使用しにくい40歳以上の方や喫煙者にも選択肢となりえます。ただし、子宮の形態や症状によっては適さない場合もあり、子宮筋層の厚さが5cmを超える場合には効果が得にくく、自然脱出のリスクが高まるとされています。使用にあたっては医師との相談が必要です。

GnRHアゴニスト/アンタゴニスト(偽閉経療法):人工的に閉経状態を作り出すことで病巣を縮小させます。骨密度低下の懸念から使用期間は原則6ヶ月以内に制限されていますが、ホルモン補充を併用するadd-back療法などにより調整される場合もあります。

手術療法

薬物療法で十分な効果が得られない場合には、手術療法が検討されます。子宮全摘術が根治的な治療法とされていますが、妊娠を希望する場合には腺筋症の病巣のみを摘出する手術が一部の医療機関で行われています。

治療選択のポイント

子宮腺筋症の治療は、一人ひとりの症状、年齢、妊娠の希望、ライフスタイルなどによって最適な方法が異なります。我慢せず早めに婦人科を受診し、医師と相談しながら自分に合った治療法を見つけることが大切です。

医療コンテンツ担当者が押さえるべきポイント

研修を受ける女性ライター|医療コンテンツ担当者が押さえるべきポイント

今回のような著名人の健康に関する発信は、読者の関心が高い反面、医療コンテンツとしての正確性が求められます。制作にあたっては以下の点に留意する必要があります。

薬機法・医療広告ガイドラインへの配慮:子宮腺筋症やミレーナについて記述する際、特定の医療機器や治療法の効果を断定する表現は避ける必要があります。「期待できます」「とされています」など、適切な留保表現を用いることが重要です。

体験談の取り扱い:著名人の体験談は読者の共感を得やすい一方、個人の体験が一般化されるリスクがあります。「個人の感想であり、すべての方に当てはまるものではありません」といった注記が求められます。

E-E-A-Tの担保:疾患啓発コンテンツでは、医師監修の有無がコンテンツの信頼性を大きく左右します。子宮腺筋症や更年期に関するコンテンツを制作する際は、産婦人科専門医の監修を受けることが推奨されます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「女性ホルモンがゼロ」になると女性でなくなるのですか?

いいえ。女性ホルモンの低下は閉経に伴う生理的な変化であり、すべての女性に起こりうるものです。鈴木さん自身もこの点を強調し、「性別関係なく1人の人間として生きていける素晴らしい人生が始まる」とメッセージを発信しています。

Q. 子宮腺筋症は自覚症状がなくても受診すべきですか?

月経痛が年々悪化している、経血量が増えている、貧血がある、といった症状がある場合は婦人科への受診が推奨されます。無症状の場合でも、定期的な婦人科検診の中で発見されることがあります。

Q. ミレーナを装着すると妊娠できなくなりますか?

ミレーナは取り外せば妊娠が可能な状態に戻ります。一生妊娠できなくなるものではなく、装着中も排卵自体は起こっている方がほとんどとされています。

Q. 更年期症状がつらい場合はどうすればいいですか?

婦人科を受診し、ホルモン補充療法(HRT)や漢方療法などの治療法について医師と相談することが推奨されます。更年期症状は個人差が大きいため、自分に合った対処法を見つけることが大切です。

まとめ

鈴木紗理奈さんの「女性ホルモンが1ミリもない」という告白は、多くの女性が経験する更年期の変化を可視化し、子宮腺筋症という疾患の認知向上にもつながるものでした。

「女性ホルモンの低下=女性としての終わり」ではないこと。子宮腺筋症は適切な治療で症状をコントロールできること。ミレーナをはじめとする治療選択肢が複数存在すること。こうした正確な医療情報を届けることが、不安を抱える方々の支えになります。

医療・ヘルスケアコンテンツの制作に携わる方は、著名人の体験談をきっかけに読者の関心が高まるタイミングを活かしつつ、医学的に正確で薬機法に準拠したコンテンツ制作を心がけることが重要です。

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参考文献

阿部 一也
阿部 一也
(板橋中央総合病院 医長)
医師のコメント

日本の閉経平均年齢は約50歳で、その前後5年間を「更年期」と呼びます。この時期は卵巣機能の低下を補おうと脳が刺激を出すため、女性ホルモンが大きく変動し「ゆらぎの時期」とも言われます。

子宮筋腫や子宮腺筋症などの疾患は女性ホルモンを栄養とするため、閉経後は悪化しません。しかし、更年期のホルモン変動により一時的に分泌が過剰になると、大量の出血を招くことがあります。いつ出血するか分からない不安から、外出を楽しめず塞ぎ込んでしまう方も少なくありません。

人生を明るく楽しむために、更年期症状や子宮疾患でお悩みの方は、ぜひ婦人科をご受診ください。適切な治療で症状は改善でき、専門医に相談するだけでも気持ちが大きく楽になるはずです。一人で悩まず、まずは一歩踏み出してみてください。

医師のコメント

日本の閉経平均年齢は約50歳で、その前後5年間を「更年期」と呼びます。この時期は卵巣機能の低下を補おうと脳が刺激を出すため、女性ホルモンが大きく変動し「ゆらぎの時期」とも言われます。

子宮筋腫や子宮腺筋症などの疾患は女性ホルモンを栄養とするため、閉経後は悪化しません。しかし、更年期のホルモン変動により一時的に分泌が過剰になると、大量の出血を招くことがあります。いつ出血するか分からない不安から、外出を楽しめず塞ぎ込んでしまう方も少なくありません。

人生を明るく楽しむために、更年期症状や子宮疾患でお悩みの方は、ぜひ婦人科をご受診ください。適切な治療で症状は改善でき、専門医に相談するだけでも気持ちが大きく楽になるはずです。一人で悩まず、まずは一歩踏み出してみてください。

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