インタビューに応じる濵﨑秀崇先生

「体も心も、社会も健康な世界をつくりたい」糖尿病専門医・濵﨑秀崇先生の思い

インタビューに応じる濵﨑秀崇先生

「体も心も、社会も健康な世界をつくりたい」糖尿病専門医・濵﨑秀崇先生の思い

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、神奈川県内のクリニックで院長を務める濵﨑秀崇先生にお話を伺いました。

濵﨑秀崇先生の思い

人類学から医学の道へ――ホルモンの働きに魅せられる

診察室でインタビューに応じる濵﨑秀崇先生

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師になった経緯を教えてください。

濵﨑先生 実は、最初は医学部ではなく東京大学の理学部に進みました。高校時代に読んだ文化人類学の入門書がとても面白くて、進路に迷っていることを担任に相談したら、「その本の著者が行った学部に行け」と言われたんです。調べてみると東京大学理学部の人類学で、著者の先生(故・祖父江孝男先生) に手紙を書いて、実際に話を聞きに伺いました。

ただ、大学院受験を考える3〜4年の時期に、地元で開業医をしている父に進路を相談する機会がありました。父自身は『継ぐ必要はない』と言ってくれたのですが、やはり責任を感じて、それならば医学部に行き直そうと、広島大学医学部に再入学しました。

――その後、糖尿病・内分泌内科を選ばれます。きっかけを教えてください。

濵﨑先生 理由は2つあります。1つは、人類学に「生態人類学」という分野があって、医学部で学んだホルモンの世界も、それとよく似ているなと感じたんです。例えば、脳の下垂体から甲状腺・副腎・性腺などを刺激するホルモンが出て各臓器の働きをうまく調整しています。最近では筋肉からマイオカインという物質が出て健康に影響したりすることがわかっています。人間を一つの生態系として捉えたとき、その中でホルモンがどう働いているのかを学び、研究する価値があるのではないかと思い、内分泌をやろうと考えました。

もう1つは、もっとストレートな理由で、実家のクリニックの専門が糖尿病だったことです。スムーズに引き継げるよう、糖尿病・内分泌内科を選びました。

――内科医としてのやりがいは、どんなところに感じますか?

濵﨑先生 糖尿病は、患者さんの生活や社会背景にとても深く関わる病気です。診療でもきちんとお話を伺い、人間関係を築いていくことがとても重要になります。そこに面白みを感じますね。研修の頃は整形外科に行こうかと迷ったこともあったのですが――もう一つ、糖尿病は外来診療でほぼ完結するので、患者さんが自分の手から離れてしまうことがない。継続して患者さんに伴走できることも、大きな魅力だと思っています。

面白い人生を送りながら、いい生活も両立させる

――現在の活動や研究について教えてください。

濵﨑先生 最近は、日本ライフスタイル医学会という新しい学会で、英国の教科書を日本語に翻訳して出版するプロジェクトのリーダーを務めています。ライフスタイル医学は、食事・運動・睡眠・ストレス、それから飲酒や喫煙といった有害物質、そして人とのつながり――こうした柱からなる分野で、糖尿病診療の本質ととても似ていて、やりがいを感じています。

個人の研究としては、MBAの卒業論文「患者満足度とクリニック経営の関係」をマネジメント関係の学術誌に投稿中で、MPH(公衆衛生学修士)の卒業論文は「糖尿病患者における体組成、日常身体活動および握力と死亡、心血管イベントならびにがんとの関連」というタイトルでこちらも学術誌に投稿中です。 さらに、これは個人的な興味なのですが(笑)、お酒をたくさん飲んでも、身体活動が高く筋肉量が多ければお酒の悪い効果を打ち消せるのか、という疑問について文献調査を進めています。統計学的に明確な交互作用は確認されていませんが、身体活動が高いほど相対リスクが下がる傾向は見えてきています。

――臨床や研究で大事にしているテーマはありますか?

濵﨑先生 やはり「生活」ですね。歩くこと、食べること、寝ること――あらゆる生活活動が健康の質に関わっていて、その関連を解き明かしたいと思っています。よく「生活を整える」と言いますが、生活を整えすぎると、人生が面白くなくなってしまう。面白い人生といい生活を両立させるにはどうすればいいか。そこを大切にしています。

AI時代に残るのは“コミュニケーション”

濵﨑秀崇先生がライフワークとして続ける武道

――いま注目していること、チャレンジしたいことを教えてください。

濵﨑先生 やはりAIですね。汎用的なAIが進んだとき、医療はもちろん、社会がどう変わるのかにとても興味があります。医療も必然的に変わるはずで、最終的に残るのはコミュニケーションの能力ではないかと思っています。そう考えると、今の医学教育も方向性を変えていく必要がある。これまでの臨床経験や、私が続けている武道での人との関わりを、医学教育に活かすことができたらいいなと考えています。

――先生が目指す世界観、VISIONを教えてください。

濵﨑先生 言語化が難しいのですが……高齢者が増え、若年者が減るという、いびつな人口構造になっていくなかで、年齢層や階層によって社会が分断され、まとまらなくなってほしくないんです。たとえば道場では、若い人から高齢者までが一緒に稽古をして体をぶつけ合い、みんなフラット。そうした交流の場をつくるのが一つの目標です。

医療も同じで、院長や理事長を頂点としたピラミッド型の組織だと、どうしても小さくまとまってしまう。マネジメントと従業員の間に分断が生まれないよう、組織構造を変えていきたい。患者さんについても、富裕層は自費で良い医療を受けられる一方、限られた医療しか受けられない方がいる、という分断は良くないと感じています。社会のさまざまな側面に出てくる、上下に分かれた構造をできるだけなくしていきたい。だからこそ私自身、スタッフにも医療従事者にも患者さんにも、フラットな視線と姿勢で接することを心がけています。体も心も、そして社会も健康な世界――そこを目指したいですね。

「顔が見える医師」として――医師監修への思い

――先生にはメディコレWEBの監修医としてご協力いただいています。医師が情報発信に関わる意義をどうお考えですか?

濵﨑先生 まず、AIの話とも重なりますが、玉石混交の情報の中から、正しい情報を分かりやすく伝えるという役割があると思います。読んだ人が誤解するような表現や、少し間違ったところも出てきますから、そこをきちんと正すことが大切です。

もう一つ、私が記事監修に取り組むモチベーションでもあるのですが、『顔が見えない医師』というのは、あまり良くないと思っているんです。記事監修を通じて、たとえば糖尿病の医師はどういう人なのか、どんな考え方をするのかがもう少しオープンになれば、患者さんが実際に病院を受診する際の選択肢、その理由の一つになるのではないか。そう考えて取り組んでいます。

――最後に、この記事を読んでいる方や、企業の方へメッセージをお願いします。

濵﨑先生 一言で言うと、みんなで協力して、体も心も、そして社会も健康な世界をつくっていきましょう、ということです。企業の方とのコラボレーションやサービス開発についても、科学的に正しいものであれば、ぜひ積極的に取り組みたいと思っています。一緒に、人々の健康に貢献できる取り組みができれば嬉しいです。

まとめ

健康・医療に関する情報があふれる今、コンテンツの正確さと信頼性はかつてないほど重要になっています。専門医による監修は、誤った情報が読者の判断に影響するリスクを未然に防ぐだけでなく、検索エンジンからの信頼性評価にもプラスに働きます。

株式会社メディコレの「メディコレWEB」は、専門医による監修をオンラインで手軽に受けられるサービスです。メディコレWEBについて、「オンライン完結!メディコレの医師監修サービス『メディコレWEB』とは?」でも紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

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