株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、かなまち慈優クリニック 理事長・院長の髙山哲朗先生にお話を伺いました。

祖父の言葉から――医師を志した原点

――本日はお時間いただきありがとうございます!まず初めに、先生が医師を志したきっかけを教えてください。
髙山先生 きっかけは、小さい頃に祖父母からよく言い聞かされたことですね。「医者はいい仕事だからやりなさい」と。半ば“洗脳”のように(笑)言われ続けて、気づいたら医者を目指していました。祖母が亡くなったときに、その想いを一層強く感じて、医師の道へと固まっていった。それが一番のきっかけです。
ごく小さい頃はテレビに出る人やプラモデルの職人さんになりたいと言っていたらしいのですが、ちゃんと考えるようになった小学校の頃には、もう医師になると言っていたみたいです。
――消化器内科を専門に選ばれた理由を教えてください。
髙山先生 学生の頃から免疫の研究をやっていたんです。基礎の研究室に入って免疫を学び、その流れで、慶應義塾大学で炎症性腸疾患(IBD)の診療にも関わっていました。免疫の知見が治療に関わるところに携わりたい、という思いがあったんですね。
当時は血液内科に行くか消化器内科に行くか迷いました。血液内科は診療があまりにハードで、自分には厳しいかなと思って(笑)。将来的にも患者さんが多く、“内科らしい内科”だと感じたこともあって、消化器内科を選びました。
――現在の診療と研究について教えてください。
髙山先生 今はクリニックで院長を務めながら、診療の中心は生活習慣病です。最近は炎症性腸疾患の患者さんも外来でちらほら来られるようになりました。研究も続けていて、病気の発症予測や、治療効果の予測といったテーマに取り組んでいます。北里研究所病院の研究のお手伝いをしたり、九州産業大学との共同研究を進めたりしながら、論文発表も行っています。
――近年、医療を取り巻く環境の変化について感じることはありますか?
髙山先生 正直に言えば、医療者に対するリスペクトが下がってきていると感じることはあります。診療報酬の引き下げや、口コミでの評価、医療訴訟の増加など、昔とはだいぶ変わってきました。もちろん、医療者側が正すべき点もありますが、日本の医療はこれまで医療者の犠牲の上に成り立ってきた側面もある。コロナ禍でも、多くの心ある医療者が前線で尽力しました。そうした現実を踏まえながらも、私はやはり、目の前でできることを誠実にやっていきたいと思っています。
「出来ること、出来ないこと」を明確に――髙山先生が考える”まっとうな医療”

――臨床で大事にされていることを教えてください。
髙山先生 一貫してやっているのは、基本的に“まっとうな医療”です。ある意味、普通の医療をやろうとしか思っていないんですよ。ただ、自分たちの中での“普通”が、実は他とは少し違うのかもしれない、とは感じています。同級生で副院長の佐川君と一緒に、標準的で確実な医療を追求しています。
たとえば、時間帯で受ける・受けないを決めたり、予約でないと受けないといったことは基本的にしません。フリーアクセスはいい点だと思っているので、できる限り患者さんを受け入れます。一方で、できないことを“できる”と言って過剰に期待させることもしない。当院では訪問診療や末期の患者さんも診ますし、輸血もきちんとできる範囲で行いますが、それは私たちがそれぞれ専門や病棟をちゃんと経験してきた上でのことです。「できることの範囲はきちんと広げつつ、できることだけを確実にやる」――それが私たちの考える“普通”ですね。
――「できないことはできないと伝える」という姿勢は、患者さんの満足にもつながりそうですね。
髙山先生 そうですね。「できる」と言われて過剰に期待した分、それが叶わなかったときのがっかり感のほうが、人は大きいものです。だからこそ、できること・できないことを明確にして、誠実にお伝えする。それが結局、トータルで見た患者さんの満足にもつながると思っています。そして、治療は常にアップデートしていくものなので、最新の正しいとされる医療を誠実に提供し続ける。それができなくなったら、潔く身を引くべきだとも考えています。
――健康相談にAIを使う人が増えています。AIと医療の関わりについて、どうお考えですか?
髙山先生 健康に不安を感じたとき、まずAIに相談したくなる気持ちはよく分かります。多くの人は体系的に医学を学んだわけではないですから。AIは私もよく使いますし、とてもよく答えてくれます。ただ、各専門領域で見ると、正確なのは“8割くらい”だろうな、という感覚なんです。残りの中には、とんでもない理論や危険な判断が紛れ込んでいることもある。
それが正しいのか正しくないのか、あるいは「ここまで調べた方がいいのか、調べなくてもいいのか」は、やはり専門家でないと判断できません。私自身、専門外の法律のことはAIに聞きますが、知り合いの弁護士に確認すると『それはやりすぎだね』と言われることもある。その感覚は素人には分からない。だからこそ、医療従事者による専門的な検証が不可欠だと思っています。健康は身近なテーマだけに、誰もが“分かった気”になりやすい。正しい情報と誤った情報を見分けるのは、本当は簡単ではないんです。
誠実な医療情報を届け続ける――医師監修への思い

――医療情報の世界では、根拠の乏しい健康法が語られることもあります。
髙山先生 ありますね。「標準治療」という言葉自体、誤解を招きやすいネーミングだと思っています。あたかも“その上”があるように聞こえてしまいますが、実際には、現時点で最もエビデンスに基づいた最善の治療法のことなんです。証明された治療法を誠実に提供することが、何より重要だと考えています。
一方で、メディアやコンテンツの中には、利益優先で素人ライターが書いた記事や、根拠のない健康法が混在しているのも事実です。企業ですから利益は必要ですが、アフィリエイトや閲覧数を優先するあまり、倫理的に問題のある情報や疑似科学が混じってしまうのは、業界全体にとっての損失です。たとえばオンライン診療を使った不適切な薬の処方なども、強い危機感を持って見ています。利益を追うことで、医療者としての品格や誠実さが失われてはいけない。そう強く感じています。
――先生はメディコレWEBの監修にもご協力いただいています。最後に、この記事を読んでいる方や企業の方へメッセージをお願いします。
髙山先生 もし何か一緒にお仕事をする機会があれば、私は偏ることなく、まっとうな医療を、自分の中の倫理に照らして、誠実な医療情報として提供しようと思っています。あまりセンセーショナルではなく、人によっては“つまらない”と感じるものが多いかもしれません。それでも、誠実でまっとうな回答だけをお返しする。私にできるのは、それだけです。
正しい情報がきちんと届く社会のために、これからも誠実に、標準的で科学的根拠に基づいた医療と情報発信を続けていきたいと考えています。
まとめ
健康・医療に関する情報があふれる今、コンテンツの正確さと信頼性はかつてないほど重要になっています。専門医による監修は、誤った情報が読者の判断に影響するリスクを未然に防ぐだけでなく、検索エンジンからの信頼性評価にもプラスに働きます。
株式会社メディコレの「メディコレWEB」は、専門医による監修をオンラインで手軽に受けられるサービスです。メディコレWEBについて、「オンライン完結!メディコレの医師監修サービス『メディコレWEB』とは?」でも紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。









