株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師の力が欠かせません。今回は、一般皮膚科を軸に3院を率い、YouTubeでの情報発信やボディメイクにも挑戦し続ける皮膚科専門医・玉城有紀先生にお話を伺いました。

患者さんと一緒に治療経過を目で見て確認できる皮膚科医の魅力

――本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、医師を志したきっかけから伺えますか。
玉城先生 実は、高校生の頃はまったく勉強ができなかったんです。18歳のときに父から、「医者を目指すか、それとも自分で何か仕事をして生きていくか、どちらか選んでほしい。医者としてやる気があるなら1年間だけお金の支援をする」と期限を切られたんです。
――それまでは、医学部にあまり前向きではなかったのでしょうか。
玉城先生 進学校に通っていて、周りはみんな医学部を目指していたのですが、『どうして17歳のこの時期に、こんなに必死に勉強する意味があるんだろう』と本当に思っていました。でも、“進学校の生徒”というブランドがなくなって、ただの一人の人間になったとき、『どうやって生きていこう』と考えたんです。医者になれば、自分で手に職をつけて生きていけるかもしれない、と。それで『1年間だけ本気でやるから』と父に頼んで、寮に入って勉強しました。泣いているのか勉強しているのか分からないような日々でしたね。怖くて怖くて、泣きながら勉強していました。
――皮膚科を選ばれたのは、どのような理由からですか。
玉城先生 研修医になる時点では、明確に『これになりたい』という気持ちは特になかったんです。ただ、ローテーションで全科を回る環境にいて、皮膚科の魅力に気づきました。皮膚は、患者さんの症状が目に見えて分かるんですね。『蕁麻疹ですね』とすぐに見当がつく。他科では採血やCTの結果を待つ場面も多いなかで、患者さんが今すぐ答えてほしいことに、その場でお答えできる。それが魅力でした。
――治っていく過程が見えるのも、皮膚科ならではですね。
玉城先生 そうなんです。大学病院には重症の患者さんも多くいらっしゃいましたが、治療でどんどん良くなっていく姿を、患者さんご自身と一緒に目で見て確認できる。分からない病気も、病理組織の検査である程度突き止められる。『皮膚科ってなんて素晴らしいんだろう』と、すっかりその魅力に取り憑かれてしまいました。
来たくて来ているわけじゃない患者さんの気持ちに寄り添う
――現在は、どのような患者さんが多いのでしょうか。
玉城先生 ニキビの患者さんと、お子さんですね。アトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、とびひなど、一般皮膚科の先生が診るものです。
――診療で大切にされていることは何でしょうか。
玉城先生 患者さんの気持ちを考えると、そもそもクリニックに行きたくて来ている人は一人もいないと思うんです。来たくないけれど、疾患があるから来てくださっています。だからこそ、その気持ちに寄り添わなければいけない、というのが医師の立場だと思っています。良くすることはもちろん、そのために何が足りないのか、薬の量なのか、使い方なのか、丁寧に考えることが重要です。そして症状が良くなったときに、『ここでやめるのではなく、これだけは続けてほしい』と完治するまでに必要なことをお伝えする。少しでも患者さんご自身の力で良い状態を保てるように、と常に考えながら診察しています。
――1日100人以上の患者さんを診るなかで、フォローの工夫はありますか。
玉城先生 説明をしても、意外と忘れてしまわれるんですよね。ただ保険診療をしていると、一人ひとりに長い時間をかけてご説明することはどうしても難しいのです。また、個別に連絡を取り合うのは物理的に不可能な面もあります。ですから、『何度も言うけどごめんなさいね』と前置きしながら、根気強く、何度でも繰り返し必要なことはお伝えするようにしています。
YouTubeを通じた”皮膚科医の常識”の発信

――YouTubeでの発信も続けておられますね。
玉城先生 一般皮膚科の話なので、正直、面白くもなんともないYouTubeなんですよ(笑)。バズる要素も、劇的なビフォーアフターもなく、ただ一般的な皮膚のことを説明しているだけです。でも意外なことに、『そんな治療があるのを知らなかった』と言っていただけるんです。私たちにとっては常識でも、皆さんがご存じないことがあることは私にとっても学びになっています。
――発信する意義を感じられた瞬間ですね。
玉城先生 そうですね。今はSNSで、必ずしも正確でない情報が広まっていることもあります。「それはちょっと違うんだけどな」と思いながら、標準的な治療のことを地道にお伝えする。少しでも皆さんのお耳に届けばいいな、とずっと続けています。
――ご自身の知識のアップデートは、どうされていますか。
玉城先生 他の先生が何に取り組んでいるか、クリニック見学等を通じて学ばせていただき、取り入れるようにしています。
――見学では、どんなところを見ておられますか。
玉城先生 先生の診察はもちろんですが、バックヤードの動きも見学させていただきます。先日は美容専門の先生のところに伺って、「この先生はこういう姿勢だから患者さんがいらっしゃるんだな」と納得しました。開業してからこそ、他のクリニックに見学に行って学ぶべきだと思っています。
――開業医向けのセミナーも主催されているとか。

玉城先生 2年ほど前から月1回開いています。医学部に6年通っても、たとえ両親が医師でも、経営のことは誰も教えてくれないんです。私が教えるというより、同じように開業している先生たちが集まって、今のトピックスや『こういうときどうしたらいいんだろう』を話し合う会ですね。これは今後も続けていきたいと思っています。
顔だけでなく体も若々しく。ボディメイクという挑戦
――ボディメイクにも力を入れておられると伺いました。
玉城先生 お顔を綺麗にしたいというのは、女性みんなの希望だと思うんです。でも、顔だけ美容医療で綺麗にしても、体のほうが置き去りではアンバランスなんじゃないかな、と思うようになって。今はAPFというボディコンテストに出ていて、年2回ほど出場しています。体重を落とすというより、筋肉をつけて若々しく生きる。顔だけでなく、体も、ということですね。
――実際に、体の変化は感じられますか。
玉城先生 肩こりがなくなりましたし、コレステロール値も下がりました。40代になって、少しずつお肉がついてくるのを『そんなものだよね』と当たり前に思っていたんです。でも今は、朝起きて腹筋が割れていないと『やばい』と思うくらい(笑)。“これでいい”ではなく、“ベストの状態が気持ちいい”とマインドが変わったのが、一番大きな変化かもしれません。コンテストに出る出ないは別として、目標があったほうが続きますし、健康的な40代・50代につながると思っています。
一般皮膚科を次の世代に繋ぐ重要性

――先生が今、感じておられる課題を教えてください。
玉城先生 一般皮膚科の医師が減っていくことを、とても心配しています。一般皮膚科は、たくさんの患者さんを汗をかきながら診る仕事です。それでも構造的に、収益の面では大きな差がある。だから、一度美容医療の道に進まれた先生が一般皮膚科に戻ってくることは、現実的にとても難しいんです。
――キャリアを転換したい先生の受け皿が、ないということでしょうか。
玉城先生 そうなんです。実は『皮膚科をやりたいので働かせてもらえませんか』とご相談をいただくこともあるのですが、当院は臨床経験のある先生を採用している立場で、1日100人の患者さんを診ながら一から教えるのは、どうしても難しい。でも、40代・50代になってから『やっぱり一般皮膚科をやりたい』と思われる先生もいらっしゃるはずなんです。美容医療が悪いということでは全くありませんし、両方を極めておられる先生も素晴らしい。ただ、学び直したいと思ったときに、大学病院などがハブになって受け入れ、再トレーニングできる仕組みがあれば医療が変わるんじゃないかなと思うんです。
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
玉城先生 『若い頃が良かった』とおっしゃる方がいますが、私はあまりそう思ったことがないんです。年を重ねたほうが、やりたいことも、やれることも増える。時間も増えますしね。ただ、大人になると、目標は自分で作らないと存在しないんです。私はたまたまそれがボディメイクでしたが、目標をいろいろなところにたくさん作ってみる。そして、今ある人生をいかに楽しく生きるか。それを大事にしていけたらいいのかな、と思っています。
まとめ
健康・医療に関する情報があふれる今、コンテンツの正確さと信頼性はかつてないほど重要になっています。専門医による監修は、誤った情報が読者の判断に影響するリスクを未然に防ぐだけでなく、検索エンジンからの信頼性評価にもプラスに働きます。
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