「自分の体を、自分で考えられる人を増やしたい」“動きのエキスパート”理学療法士・寺澤慶大先生の思い

インタビューに応じる寺澤慶大先生

「自分の体を、自分で考えられる人を増やしたい」“動きのエキスパート”理学療法士・寺澤慶大先生の思い

2026年7月20日
インタビューに応じる寺澤慶大先生

「自分の体を、自分で考えられる人を増やしたい」“動きのエキスパート”理学療法士・寺澤慶大先生の思い

2026年7月20日

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師や理学療法士などの専門家の力が欠かせません。今回は、長野県松本市で痛みに特化した整体サロンを営む理学療法士・寺澤慶大先生にお話を伺いました。

寺澤慶大先生の思い

看護師の母の一言から目指した理学療法士への道

理学療法士を目指した当時を語る寺澤慶大先生

――本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、寺澤先生が理学療法士を志したきっかけから伺えますか?

寺澤先生 格好つけずに言うと、高校時代までは理学療法士という仕事自体をまったく知らなかったんです。母が看護師で、私自身もバレーや野球などスポーツをやっていたので、『怪我に携わる仕事は向いているんじゃない?』と母に言われたのがきっかけで知りました。正直、熱い思いがあって志したわけではなくて、学校も国家試験も、どうにかこうにか突破した、という感じでした。

――働き始めてから、気持ちに変化があったそうですね。

寺澤先生 最初は脳神経外科に入って、脳卒中の方のリハビリをやっていたのですが、正直2年目くらいまではモチベーションが高くなくて、仕事も勉強もそれほど面白いと思えずにいました。ただ、その頃、ベテランの作業療法士の先輩が職場に入ってきて、仲良くさせてもらううちに、『リハビリって、実はすごく面白い、やりがいのある仕事なんじゃないか』と強く感じるようになったんです。

そこからは、当時はサブスク教材のような時代でもなかったので、月に5万、10万と使って勉強会に通い、年間100万円ほどかけて、治療のことばかり考える3〜4年を過ごしました。気がつくと、体が動かない人や痛みで辛いという人の話を聞くと、自然と『自分に何かできることはないか』と考えるようになっていて。あの先輩がいなかったら、今もなんとなく仕事をしていたかもしれません。

型にはまらず、良くなるなら何でも試す

施術する理学療法士・寺澤慶大先生

――疼痛への専門特化、そして独立の経緯を教えてください。

寺澤先生 直近では整形外科クリニックで4年弱働きました。運動器や痛みの分野はもともと働きたかった領域で、整形の先生と関わり、勉強会にも足を運ぶうちに、『自分はこの方向に進みたい』という思いが強くなっていきました。病院に行っても痛みが良くならない、という方は世の中に本当にたくさんいます。でも、きちんと手順を踏んで正しくケアすれば、痛みが減り、良くなる可能性がある――それを知らない人がとても多いと感じたんです。

医療の枠組みは、良くも悪くも自由度が限られています。税金で賄われる部分もあり、国の定める方針の範囲での介入になるので、『もう少しこういう視点でやれば良くなるのに』と思っても、なかなか変化を出しづらい。それなら自分でやったほうが、より直接的にアプローチできる機会が増えるのではないか。そう考えて、2025年10月に松本市で整体サロン『りびるど』を始めました。

――普段はどのような施術・ケアをされているのでしょうか。

寺澤先生 基本は、徒手療法――手で関節を動かすようなアプローチと、運動療法・運動指導が中心です。加えて、物理療法として、いわゆる治療器具も使います。面白いのは、必ずしも“リハビリで使うもの”に限らないこと。たとえば美容機器として売られているマイクロカレント(微弱電流)のような機器が、炎症や痛みを抑えるのに役立つことがあるんです。五十肩で夜も眠れないという方が、そうした比較的手に入りやすい機器をご自身で使ってケアすると、意外と痛みが減ったりする。

普通にクリニックで働いていると使わないようなものや、少しアレンジした使い方も、『これを使うといいかもしれませんね』と提案します。考え方に縛られず、症状が良くなるなら何でも試してみよう、というスタイルでやっています。

リピートを促さない、セルフケアの確立をゴールに置いた治療

子どもにストレッチを指導する理学療法士・寺澤慶大先生

――施術方針で、大切にされていることはありますか。

寺澤先生 整体は店舗数が多く、私のいる松本市でも200軒ほどあります。だからこそ、多くのお店がリピートを促したがる。もちろん私も生活のために収益は考えますが、不必要なリピートを『来てよ、来てよ』と促すことは、できるだけしたくないんです。自分が施術を受ける側なら、なるべく少ない回数で済ませたいし、しつこく通うよう言われるのも好きじゃない。月並みですが、“自分がされて嫌なことはしない”ということですね。

ですから、できる限り早く、その人が自分でできるセルフケアのスタイルを確立してもらう。ご自身で体のメンテナンスができる状態を提供して、数ヶ月経って調子が悪いときに、たまにメンテナンスに来てもらう。そこをゴールにしています。回数券をどんどん、というやり方には、したくないんです。

――痛みへの対応で、ほかに心がけていることはありますか。

寺澤先生 痛みは、その場ではある程度減らせるケースが多いんです。ただ、数日でまた戻ってしまうこともある。だからこそ、受け身の施術だけでなく、お客さん自身が自分の体や健康について正しい知識を持ち、能動的にメンテナンスに取り組めるように持っていきたい。今はSNSなどに情報があふれていて、再生数を狙った、少し誇張された内容も多い。100%間違いとは言わないまでも、『それをやったから体が良くなるかというと、そうとは限らない』という情報も少なくありません。痛くて困っている方に、その時点でその人に適した情報を提供することを心がけています。

医療の実務家が確認する記事監修の意義

――メディコレWEBの監修にもご協力いただいています。専門家が記事監修に関わる意義をどうお考えですか?

寺澤先生 一見すると似たようなニュアンスでも、『それは分かるけれど、ちょっと違うかな』という表現が、読んでいてちらほら見つかるんです。一般情報として間違っているわけではない。でも、臨床でいろいろな方を診ていると、実際にはこういう要素の方が強い、と感じることがある。もちろん、記載されている内容の方がデータとして裏づけがある、という場合もあるので、どこまで指摘するかは迷うところです。それでも、『これは違うだろう』という点は、第一線で働く実務家が目を通したほうが、説得力が出るし、間違いも減る。AIが情報をつくるコストは大きく下がりましたが、優秀すぎるがゆえに間違いが見つけにくい面もある。だからこそ、実務を分かっている人間が確認する意味は大きいと感じています。

自分の体を、自分で考えられる社会へ

患者の問診を行う理学療法士・寺澤慶大先生

――理学療法士としての活動を通じて、どのような社会を実現したいですか。

寺澤先生 若い頃からずっと思っているのは、『自分の体にとって正しい情報』をちゃんと見つけられる人が増えてほしい、ということです。海外では保険の仕組みが日本ほど手厚くない分、病院に行く前に自分で調べ、『自分はこう思うがどうですか』と医師に相談することが多い。一方で日本は、痛いからとりあえず病院へ行って、言われた通りにやればいい、と“任せやすい”国民性がある。それも一つの良さですが、もう少し主体性を持って、自分の体のことは自分で考える人が増えてほしいんです。

そういう人が、良い情報も悪い情報もあるなかで、本当に自分に合った正しい情報を得られる世界になれば、体の不調や痛みは減っていくと思います。それは私たちの仕事が減ることでもありますが(笑)、自分が年を重ねたときに、『何を信じていいのか分からない』とはなりたくない。皆さんが自分の体への理解を深めてくれたら、治療の話をしていても本当に楽しいですし、そういう世の中になったら嬉しいですね。

――最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

寺澤先生 理学療法士は、体の、とくに“動きのエキスパート”だと個人的に思っています。医療では一番上に医師がいて、診察や指示をしてくださいますが、だからといって医師が痛みや体の問題のすべてを理解できるわけではありません。そこは専門性の違いで、理学療法士という少し異なる視点から見ると、医師の目線だけでは見つけられなかった問題点や、新たな可能性が広がることがあります。どこかに痛みや悩みを抱えている方に、『医師とは違う目線でも、自分の悩みを解決できる可能性があるんだ』ということを、ぜひ知っていただけたら嬉しいです。

まとめ

健康・医療に関する情報があふれる今、コンテンツの正確さと信頼性はかつてないほど重要になっています。医師や医療従事者などの専門家による監修は、誤った情報が読者の判断に影響するリスクを未然に防ぐだけでなく、検索エンジンからの信頼性評価にもプラスに働きます。

株式会社メディコレの「メディコレWEB」は、専門家による監修をオンラインで手軽に受けられるサービスです。メディコレWEBについて、「オンライン完結!メディコレの医師監修サービス『メディコレWEB』とは?」でも紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

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