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カルテを確認する白衣の女性医師。医師5名が公表資料と学術論文をもとに、プラズマ乳酸菌を5つの観点で検証した医師レビューを表す

「プラズマ乳酸菌」の評価は?医師5名が検証【総合スコア3.9の根拠】と注意すべきポイント

カルテを確認する白衣の女性医師。医師5名が公表資料と学術論文をもとに、プラズマ乳酸菌を5つの観点で検証した医師レビューを表す

「プラズマ乳酸菌」の評価は?医師5名が検証【総合スコア3.9の根拠】と注意すべきポイント

この記事の要約

  • キリンホールディングス株式会社の独自素材「プラズマ乳酸菌」(Lactococcus lactis strain Plasma)を、感染症・消化器・循環器・糖尿病・脳神経内科などを専門とする医師5名が5つの観点で検証。総合評価は5点満点中3.9点でした。

  • 最も高く評価されたのは「コンセプト」(平均4.4)。整腸ではなく、ウイルス由来の核酸を認識してインターフェロンαを産生する免疫細胞「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を作用点に置く着想が、免疫学的に合理的と評価されました。

  • エビデンスは、2012年の基礎研究から2025年に公表された8件のランダム化比較試験(RCT)の統合解析まで、段階的に積み上がっている点が評価されました。一方で、症状面の改善幅は小さく、企業から独立した研究による再現が望まれるとの指摘もありました。

  • 「摂取条件の明確さ」(平均3.6)については、有効性を確認したヒト試験の摂取量が1日1,000億個にそろっている点は評価されたものの、生菌と死菌の直接比較や、摂取量と効果の関係の検証は今後の課題とされました。

  • 健康な成人が、睡眠や食事などの生活習慣を整えたうえでの免疫機能の維持に関する研究素材として妥当という評価です。

【検証結果】医師5名による評価:総合評価 3.9点 / 5.0

本記事では、キリンホールディングス株式会社(以後キリンと表記)が研究を続けてきた乳酸菌素材「プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis strain Plasma)」について、医師5名が5つの観点から評価しました。評価の対象は特定の商品ではなく、素材としてのプラズマ乳酸菌です。

総合評価は5点満点中3.9点でした。5名×5項目の全25評価のうち、最高評価の5点が2件、4点が18件、3点が5件でした。

【医師5名による評価スコア一覧】

評価者

①コンセプト

②エビデンス

③対象の明確さ

④摂取条件の明確さ

⑤安全性

平均

小幡 史明

4

4

3

4

4

3.8

後平 泰信

5

4

4

4

4

4.2

中路 幸之助

4

4

4

3

4

3.8

井筒 琢磨

4

3

4

3

4

3.6

伊藤 規絵

5

4

4

4

3

4.0

項目平均

4.4

3.8

3.8

3.6

3.8

3.9

※平均は小数第2位を四捨五入して表示しています。

「プラズマ乳酸菌」とはどんな乳酸菌?

「プラズマ乳酸菌」は、キリンが研究を続けてきた乳酸菌「Lactococcus lactis strain Plasma(L.ラクティス プラズマ)」の呼称です。チーズやヨーグルトなどの発酵に使われてきたラクトコッカス・ラクティスの一種で、免疫細胞の一つであるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)を活性化する乳酸菌という意味を込めて名付けられたと、キリンは説明しています。

乳酸菌の研究には、腸内環境に着目したものなど、さまざまな方向性があります。その中でプラズマ乳酸菌は、免疫細胞への働きかけに着目して研究されてきた素材です。

電子顕微鏡で撮影したプラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis strain Plasma)。ラクトコッカス・ラクティスの一種である球状の乳酸菌の姿を表す

主な特徴

項目

内容

名称

プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis strain Plasma、LC-Plasma)

菌種

ラクトコッカス・ラクティス。チーズや発酵乳の製造に古くから用いられてきた菌種

着目する免疫細胞

pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)。ウイルス由来の核酸を認識し、抗ウイルス物質のインターフェロンαを産生する細胞

菌の状態

キリンは「生菌でも死菌でも同様に効果があり」と説明。2025年の統合解析に含まれた8件のランダム化比較試験(RCT)では、2件が生菌、6件が加熱死菌を使用

有効性を確認したヒト試験における試験食品の摂取量

1日1,000億個。2025年の統合解析に含まれた8件のランダム化比較試験(RCT)はいずれもこの量で行われ、統合した結果、pDCの活性化指標と咳・熱っぽさの日数に有意な効果が確認されている。摂取期間は13〜84日で、ヨーグルト、飲料、カプセル、錠剤の形態で実施。

主な研究

2012年:pDC活性化の作用機序を示した基礎研究(PLOS ONE)/2023年:大学の陸上長距離選手を対象とした加熱殺菌菌体のランダム化比較試験(Nutrients)/2025年:8件のRCTの個人参加者データによる統合解析(Frontiers in Immunology)

【検証結果】医師5名は「プラズマ乳酸菌」をどう評価した?

最も高く評価された項目は「コンセプト」(平均4.4点)で、5名中2名が最高評価の5点をつけました。

25件の評価の内訳は、5点が2件、4点が18件、3点が5件で、2点以下はありませんでした。評価の約7割が4点に集中しており、医師ごとの平均は3.6〜4.2点、項目ごとの平均は3.6〜4.4点の範囲に収まっています。医師の間で見解の開きが小さかったことも、今回の結果の特徴です。

最も平均が低かったのは「摂取条件の明確さ」(3.6点)です。ヒト試験の条件そのものは明確である一方、生菌と死菌の違いや、摂取量と効果の関係が十分に検証されていない点に指摘が集まりました。

医師が評価した5つのポイント

①コンセプト(平均4.4点)

整腸ではなく免疫、しかも自然免疫の細胞であるpDCという特定の細胞を作用点に置くという発想が妥当かという観点から評価しました。5名中2名が5点、3名が4点をつけ、5項目の中で最も高い評価となりました。

実験室で顕微鏡をのぞく白衣の研究者2人。多数の乳酸菌株を調べてpDCに働きかける菌を選び出した、プラズマ乳酸菌の基礎研究を表す

「整腸ではなくpDC」という着眼点は、免疫学的に合理的

pDCは、ウイルス由来の核酸を認識するとI型インターフェロン(IFN-α)を産生し、感染初期の生体防御や、自然免疫から獲得免疫への橋渡しを担う細胞です。この細胞を作用点に置くことは理にかなっていると、複数の医師が評価しました。

後平 泰信 先生(コンセプト:5点)

プラズマ乳酸菌が、従来の乳酸菌に多く見られる整腸作用ではなく、免疫機能、特に形質細胞様樹状細胞(pDC)に着目している点は、免疫学的にも科学的にも非常に合理的であり、独自性と発展性の高いコンセプトであると評価します。

「なぜこの菌なのか」を、スクリーニングの結果で説明している

2012年にPLOS ONEに掲載された基礎研究では、球菌35株のうち13株がIFN-αを誘導し、桿菌90株では誘導が見られなかったことが報告されています。菌を選んだ根拠が示されている点も評価されました。

中路 幸之助 先生(コンセプト:4点)

さらに論文では、球菌35株のうち13株がIFN-αを誘導し、桿菌90株ではまったく誘導が見られませんでした。そのうえで、pDCに取り込まれてTLR9/MyD88経路を通じて作用するという菌体側の違いまで示されています。

ただし「免疫力を一律に高める」とは言えない

一方で、pDCの活性化やインターフェロンの産生が、あらゆる感染症の予防や重症化の抑制につながると証明されたわけではない、との指摘が複数の医師からありました。

免疫は働きを高めればよいというものではなく、体の状態に応じて適切に調節されることが大切だという点も指摘されています。

伊藤 規絵 先生(コンセプト:5点)

一方、pDCの活性化やインターフェロン産生の増加が、必ずしもあらゆる感染症の予防や重症化抑制につながるわけではありません。免疫応答には適切な調節が必要であり、過剰な炎症反応にも配慮する必要があります。

②エビデンス(平均3.8点)

ヒト臨床試験と非臨床試験で確かめられている範囲と、その質・量が十分か、作用機序まで検証されているかという観点から評価しました。4名が4点、1名が3点をつけています。

研究レポートや分析グラフ、電卓、眼鏡が並ぶデスク。基礎研究から8件のランダム化比較試験の統合解析まで積み上がった、プラズマ乳酸菌のエビデンスを表す

基礎研究から統合解析まで、段階的に積み上がっている

細胞実験・動物実験・ヒト臨床試験と段階的に研究が進められ、作用機序と健康影響の両面から蓄積がある点は、食品素材としては比較的豊富なエビデンスだと評価されました。

中心となるヒトの根拠は、2025年にFrontiers in Immunologyに掲載された統合解析です。8件のRCTを統合し、619名の解析でpDCの活性化指標(CD86、HLA-DR)に有意な効果が、555名の解析で咳と熱っぽさのある日数がプラセボ群より有意に少ないことが報告されています。28日あたりの差は、咳が0.69日、熱っぽさが0.26日でした。

小幡 史明 先生(エビデンス:4点)

基礎研究からヒト臨床試験まで段階的に研究が行われており、食品素材としては比較的豊富なエビデンスが蓄積されていると評価します。

参加者一人ひとりのデータを統合した解析である点

この統合解析は、各試験の集計値ではなく、参加者一人ひとりのデータを統合する「個人参加者データ」を用いたメタ解析です。この手法の利点も評価されました。

伊藤 規絵 先生(エビデンス:4点)

個人参加者データを用いた解析は、各研究の参加者レベルの情報を統合できる点で、通常の集計データによるメタ解析にはない利点があります。

ただし症状面の改善幅は小さく、独立した研究による再現が望まれる

同じ統合解析で、のどの痛みや鼻水には有意差が認められていません。症状の評価は自己申告に基づくもので、ウイルス検査で確定した感染症の発症予防や重症化予防とは異なる評価項目である点も指摘されました。統合された試験の資金提供元や実施国の偏りについても、複数の医師が言及しています。

中路 幸之助 先生(エビデンス:4点)

また、8本のRCTはいずれもキリンが資金を提供したもので、実施国も日本が7本、マレーシアが1本と偏っており、利害関係のない第三者による再現試験はまだ行われていません。

③対象の明確さ(平均3.8点)

どのような方に向けた素材なのかが明確かという観点から評価しました。4名が4点、1名が3点をつけています。

中核となる対象は「健康な成人」

2025年の統合解析の対象は18〜64歳の健康な成人男女で、18歳未満、妊娠中・授乳中の方、既存の疾患がある方は除外されていました。エビデンスの中核となる対象集団は明確だと評価されました。

井筒 琢磨 先生(対象の明確さ:4点)

今回の資料で紹介されている研究を基にすると、主に健康な成人を対象としたものがわかります。しかし高齢者や、基礎疾患のある方にも同様の効果が期待できるかは、現時点では明らかではありません。

ただし紹介されている研究の幅が広く、対象が伝わりにくい

一方で、公式サイトなどでは、小学生への給食を通じた地域での取り組み、運動時の疲労感、働く人のパフォーマンス、肌への作用など、性質の異なる研究が並んでいます。研究デザインやエビデンスの強さが異なるものを同じ重みで受け取ると誤解を招くおそれがある、との指摘がありました。

中路 幸之助 先生(対象の明確さ:4点)

ただし、発信している情報全体を見ると、対象を広く取りすぎており、結局どういった方に向けた乳酸菌なのかが伝わりにくくなっています。

④摂取条件の明確さ(平均3.6点)

研究結果がどの摂取量・摂取期間・摂取形態で得られたものかが明確か、剤型や菌の状態(生菌・死菌)による違いが根拠をもって説明されているかという観点から評価しました。3名が4点、2名が3点で、5項目の中で最も低い平均となりました。

手のひらに乗せた錠剤と水の入ったグラス。ヒト試験で有効性の確認に用いられた摂取量や期間など、プラズマ乳酸菌の摂取条件の明確さを表す

ヒト試験の摂取条件が明確に示されている

統合解析に含まれた8件のRCTは、いずれも1日1,000億個(1×10の11乗個)のプラズマ乳酸菌を用いて行われており、摂取期間は13〜84日でした。統合した結果、この量でpDCの活性化指標と咳・熱っぽさの日数に有意な効果が確認されています。ヨーグルト、飲料、カプセル、錠剤と複数の形態で行われ、試験ごとに条件が明記されている点が評価されました。

加熱殺菌した菌体でも作用が認められている点は特徴

8件のうち2件は生菌、6件は加熱殺菌した菌体を使用しています。菌が生きたまま増えることを前提としない作用は、菌体成分が免疫細胞に認識されるという基礎研究の知見とも整合する、と評価されました。

後平 泰信 先生(摂取条件の明確さ:4点)

これは、腸内で菌が生きたまま増殖することを前提とする作用とは異なり、菌体成分が免疫細胞に認識されることによって作用するというメカニズムと整合的です。そのため、飲料やサプリメントなど、さまざまな食品形態への応用が期待できる点は評価できます。

ただし生菌と死菌の直接比較、摂取量と効果の関係は今後の課題

同じ条件で生菌と死菌を直接比べたヒト試験は提示資料の中に見当たらず、統合解析でも菌の状態別・剤型別の分析は行われていません。ヒトで検証された用量が1日1,000億個の1種類だけである点も、複数の医師が指摘しました。

中路 幸之助 先生(摂取条件の明確さ:3点)

そのため、用量によって効果がどう変わるのか、最低限どれだけ摂れば効果が得られるのかはわかっていません。

なお、統合解析に含まれた試験のうち、大学の運動部に所属する男子学生を対象とした試験では、試験食品(加熱殺菌したプラズマ乳酸菌1日約1,000億個)を13日間摂取した後に、pDCの活性化指標(CD86)がプラセボ群より有意に高かったことが報告されています。

⑤安全性(平均3.8点)

継続摂取・過剰摂取・対象者について、確認された水準が示されているかという観点から評価しました。4名が4点、1名が3点をつけています。

健康な成人での継続摂取・過剰摂取の試験で、問題となる所見は報告されていない

健康な成人を対象に、有効性の確認に用いられた量(1日1,000億個)を12週間摂取する継続摂取試験、その3倍量を4週間摂取する過剰摂取試験、加熱死菌5,000億個を4週間摂取する無作為化二重盲検プラセボ対照試験が報告されており、いずれも試験食品に起因する臨床上問題となる所見は認められていません。ラクトコッカス・ラクティスにチーズや発酵乳の製造での長い食経験がある点も評価されました。

中路 幸之助 先生(安全性:4点)

加えて、この菌種(ラクトコッカス・ラクティス)はヨーロッパを中心にチーズや発酵乳の製造に古くから用いられてきた食経験があり、健康な成人が摂取する範囲では十分に安全だと判断できます。

安全性は「対象と条件」を併記して理解する

一方で、確認されている摂取期間は最長12週間で、試験の対象は健康な成人に限られています。数年にわたる摂取や、まれな有害事象を評価できる規模ではないことも指摘されました。

伊藤 規絵 先生(安全性:3点)

安全性の説明としては、「健康な成人を対象とした所定の量・期間の試験で、摂取に起因する臨床上問題となる変化が認められなかった」と対象・条件を併記するのが正確です。過剰摂取試験の結果も、多く摂るほど有効であることや、過剰摂取を推奨する根拠ではありません。

【重要】医師が指摘する留意点

医師5名の評価では、プラズマ乳酸菌の有効性・安全性が主に確かめられているのは健康な成人であることが繰り返し指摘されました。次のような場合は、健康な成人で得られた結果をそのまま当てはめることはできません。

検査画像を示しながら患者に説明する白衣の医師。プラズマ乳酸菌の研究の対象者に含まれていない方への留意点を表す

1. 妊娠中・授乳中の方

2025年の統合解析では、妊娠中・授乳中の方は対象から除外されています。健康な成人と同じ水準で有効性・安全性が確認されているわけではないため研究の対象から除外されており、これらの方を対象とした有効性・安全性のデータはありません。

2. 高齢者・小児

免疫のケアへの関心が高い高齢者について、信頼できるヒト試験のデータは十分ではないと指摘されています。小児を対象とした研究はあるものの、地域単位での比較など、成人の無作為化比較試験とは根拠の強さが異なります。

3. 自己免疫疾患のある方、免疫抑制剤を使用している方

プラズマ乳酸菌はIFN-αの産生を促す免疫賦活作用を持つことから、自己免疫疾患のある方や免疫抑制剤を使用している方では理論上の懸念が残る、との指摘が複数の医師からありました。

4. 重い基礎疾患のある方、免疫機能が低下している方

基礎疾患のある方や免疫機能が低下している方での有効性・安全性は、現時点で直接確かめられていません。この乳酸菌は病気の治療やワクチンの代わりになるものではありません。

5. 「多く摂るほど効果が認められる」わけではない

ヒトで検証された用量は1日1,000億個のみで、摂取量を増やすほど効果が高まるかどうかは検証されていません。過剰摂取試験の結果は、過剰摂取を勧める根拠ではないとされています。

まとめ

医師5名による評価では、プラズマ乳酸菌は総合3.9点でした。とくに、整腸ではなくpDCという特定の免疫細胞を作用点に置き、その作用機序を基礎研究で示してきた点が、5項目の中で最も高く評価されました。

エビデンスについては、基礎研究から8件のランダム化比較試験(RCT)の統合解析まで段階的に積み上がっている点が評価された一方、症状面の改善幅は小さく、企業から独立した研究による再現や、生菌と死菌の直接比較、摂取量と効果の関係の検証が今後の課題として挙げられました。

現時点の根拠に照らすと、プラズマ乳酸菌は、健康な成人が十分な睡眠やバランスの取れた食事といった生活習慣に加えて、日常の体調管理の一環として継続して取り入れる食品素材と位置づけるのが適切だというのが、医師5名に共通する見方です。

※本記事は、各医師が素材に関する公表資料・学術論文を検証した結果に基づく個人の見解であり、特定の疾病の治療・予防や、身体の構造・機能への効果を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. プラズマ乳酸菌とは何ですか?

キリンが研究を続けてきた乳酸菌「Lactococcus lactis strain Plasma」の呼称です。チーズや発酵乳の製造に使われてきたラクトコッカス・ラクティスの一種で、免疫細胞の一つであるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかける点が特徴です。医師5名による評価では総合3.9点(5点満点)で、整腸ではなく免疫細胞を作用点に置くコンセプトが最も高く評価されました。

Q2. pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)とはどんな細胞ですか?

自然免疫に属する樹状細胞の一種で、ウイルス由来の核酸を認識するとI型インターフェロン(IFN-α)を産生し、感染初期の生体防御に関わります。自然免疫と獲得免疫の橋渡しにも関与します。体内にはごくわずかしか存在しない細胞で、口から摂った乳酸菌が全身のpDCにどう働きかけるかは、動物実験からの推測に頼る部分が残ると医師から指摘されています。

Q3. プラズマ乳酸菌は、どのような研究で調べられてきましたか?

細胞実験・動物実験からヒト臨床試験まで、段階的に研究が進められてきました。2012年にPLOS ONEに掲載された基礎研究では、pDCの活性化にTLR9を介した仕組みが関わることが示されています。2025年には、8件のランダム化比較試験の参加者一人ひとりのデータを統合した解析がFrontiers in Immunologyに掲載されました。医師5名はこの研究の積み重ねを評価する一方、企業から独立した研究による再現も望まれるとしています。

Q4. 生きた菌でなくても意味がありますか?

プラズマ乳酸菌は、加熱殺菌した菌体でもpDCへの作用が認められている点が特徴です。2012年にPLOS ONEに掲載された基礎研究では、マウスの免疫細胞を用いた細胞試験で生菌と加熱殺菌した菌体を比較し、IFN-αの産生量に統計的な差は認められませんでした。また、2025年の統合解析に含まれた8件のRCTのうち、6件は加熱殺菌した菌体を使用していました。

Q5. ヒト試験では、どれくらいの量で有効性が確認されましたか?

2025年の統合解析に含まれた8件のランダム化比較試験(RCT)は、いずれも1日1,000億個のプラズマ乳酸菌を用いて行われ、摂取期間は13〜84日でした。これらを統合した結果、この量でpDCの活性化指標と咳・熱っぽさの日数に有意な効果が確認されています。これより少ない量で同じ効果が得られるか、量を増やすと効果が高まるかは検証されておらず、摂取量と効果の関係を調べる研究は今後の課題として医師から挙げられています。

Q6. ヒトで効果が認められている摂取期間・摂取量はどれくらいですか?

健康な成人では、有効性の確認に用いられた量(1日1,000億個)を12週間毎日摂取する試験や、3倍量・5倍量を4週間摂取する試験で、試験食品に起因する臨床上問題となる所見は報告されていません。ただし、確認されている摂取期間は最長12週間です。年単位の長期摂取や、妊娠中・授乳中の方、基礎疾患のある方での安全性は確立していないため、気になる場合は医師に相談してください。

Q7. ヒト試験では、どのような項目が評価されましたか?

健康な成人を対象とした8件のRCTの統合解析では、咳と熱っぽさのある日数がプラセボ群より有意に少ないことが報告されています。一方で、のどの痛みや鼻水には有意差がなく、症状は自己申告による評価です。インフルエンザなどの感染そのものを防ぐ効果や、重症化を防ぐ効果は確立していない、というのが医師5名の評価です。予防接種や治療の代わりにはなりません。

Q8. 医師は全体としてどう評価しましたか?

5項目の平均は、コンセプト4.4点、エビデンス3.8点、対象の明確さ3.8点、摂取条件の明確さ3.6点、安全性3.8点で、総合3.9点でした。25件の評価のうち約7割が4点で、2点以下はありません。作用機序とヒト試験の蓄積が評価された一方、健康な成人以外への適用や、生菌と死菌の比較、長期摂取のデータは今後の課題とされています。

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