インタビューに応じる「口の中だけでなく、暮らしまで診る」――地域を支える歯科医・若菜康弘先生

「口の中だけでなく、暮らしまで診る」地域を支える歯科医・若菜康弘先生の思い

2026年7月13日
インタビューに応じる「口の中だけでなく、暮らしまで診る」――地域を支える歯科医・若菜康弘先生

「口の中だけでなく、暮らしまで診る」地域を支える歯科医・若菜康弘先生の思い

2026年7月13日

株式会社メディコレが目指す、誰もが安心できる医療情報に触れることができる社会には、情報を監修する医師や歯科医師などの専門家の力が欠かせません。今回は、千葉県大多喜町で三代続く歯科医院を営み、地域医療とフレイル予防に取り組む若菜歯科医院 院長・若菜康弘先生にお話を伺いました。

若菜康弘先生の思い

三代続く歯科医院に生まれ、地域医療に向き合う

患者を治療する若菜康弘先生

――本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、先生が歯科医を志したきっかけから伺えますか?

若菜先生 私の実家は千葉県の大多喜町という、山の中の町にあります。祖父の代から続く歯科医院で、過疎地のため近隣に病院や歯科医院が少ない。だから、いずれ自分も帰って継がなければ、という思いが自然とありました。育った環境が一番大きかったと、自分では思っています。

とはいえ、高校2年生くらいまでは正直迷っていました。商社マンになって海外で働いてみたい、あるいは一級建築士になって大型の建造物の設計をやってみたい、という憧れもあって。だんだん現実的になり、周りの先生方の助言もあって、歯科大学へ進もうと考えるようになりました。

――実際に歯科医として診療されてみて、いかがですか。

若菜先生 正直、患者さんが多かった昔に比べれば、今は開業していてもそれほど患者数が多いわけではありません。ただ、私のところは田舎で、近くに大きな病院がない環境ですから、緊急の患者さんに対応しなければならない場面が、都市部の先生より多いように思います。より重症の患者さんを相手に治療していく――そこには、都会とはまた違った治療上の満足感があります。とても感謝していただけることもあって、田舎ならではの診療を通じた生きがいを感じています。

――ご専門について教えてください。

若菜先生 大学に残って大学院に進んだときは、補綴学を専攻していました。その後、開業前にもう少し経験を積みたいと考え、千葉大学と東京大学で口腔外科を経験しました。大きなことはできませんが、専門的な治療にも携わってきました。もう一つ、私は若い頃から医療統計や疫学的なことが得意で、今でも関連する研究のお手伝いを頼まれることがあります。歯科の分野で統計や疫学に強い人間は多くないので、その点は少し変わった強みかもしれません。

オーラルフレイル予防への思い

治療に集中する若菜康弘先生

――現在は、どのような患者さんを診ることが多いのでしょうか。

若菜先生 田舎ですので、高齢の方を相手にすることが多いですね。病気を抱えたお年寄りの方、そして施設への訪問診療が中心です。近くに大病院がないので、一般的な老健施設というより、看取り――エンドステージのターミナルケアを必要とする、重度の方がいらっしゃる施設に訪問しています。若い患者さんは、本当に少ないんです。

――近年注目されるオーラルフレイルについて、現場ではどう捉えていますか。

若菜先生 高齢者のフレイル(全身の虚弱)は大きな課題で、その予防のアプローチを行政から頼まれたり、医科と共同で取り組んだりしています。オーラルフレイルという言葉については、正直に言えば、研究が先行してこうした活動につながったというより、臨床が先行してきたと感じています。全身のフレイルに関する知識は、むしろお医者さんのほうが深い。歯科の研究のなかでこの言葉が使われ、行政や歯科界が取り上げるようになったのは、ここ2〜3年のことなんです。

――診療で大切にされていることは何でしょうか。

若菜先生 高齢の方が多いので、口の中を見ているだけではなく、その人の家庭環境も含めて、全身的に、少し外から俯瞰して眺める立場で接するようにしています。口の中だけにとらわれない、ということですね。田舎なので、うちに来るまで2時間ほどかけて来られる方もいます。ですから、社会環境や交通事情まで含めて、その方にとって最善の治療ができるように考える。ここが、難しくも大切なところです。

30代・40代からのフレイル予防を通じた健康寿命延伸のビジョン

居合道の鍛錬を行う若菜康弘先生

――診療以外の活動にも取り組まれているそうですね。

若菜先生 フレイル予防を広めるために、地元のローカル線・いすみ鉄道の社長さんと協力して、フレイル予防につながるようなイベントを何度か行ったことがあります。診療の枠を超えて、周りと手を結んで取り組む――そうした社会活動にも、少しずつ関わっています。

――お仕事以外に、続けていることはありますか。

若菜先生 趣味をいろいろやっていて、合気道や居合道に取り組んでいます。居合は二段で、最近は一番はまっているかもしれません。武術は精神鍛錬にもなりますし、体幹も鍛えられる。心と体の両方を整えられるのが良いところです。年を重ねても続けていきたいと思っています。

――ご自身の活動を通じて、どのような社会を実現したいですか。

若菜先生 私が診ているのは高齢の方が多く、なかには寝たきりになってしまった後の方もいます。そうなると生活も食事も制限されてしまう。だからこそ、年を取ってからではなく、30代・40代の若い世代から、フレイル予防の考え方を広めていきたいんです。行政の健診にもフレイル健診が入ってきていますが、まだ十分に浸透していません。全国的に広めるのは私には難しくても、せめて自分の住む大多喜の町内の方々には周知していきたい。一人ひとりに予防のアプローチができれば、将来はきっと明るいと思っています。健康寿命そのものを延ばしていく――それが私の願いです。

医師監修を通じて、オンライン上に正しい情報を

デスクでカメラを見つめる若菜康弘先生

――健康情報の発信に、医療従事者が関わる意義をどうお考えですか?

若菜先生 正しい情報であれば、どんどん進めるべきだと思います。今は紙よりも、スマホやオンラインで情報を探す時代です。とくに若い世代に目を向けてもらうには、専門家がオンラインで正しい情報を発信・監修していくことが、今の時代の最善の方法だと感じています。医療の知識が必ずしもある人ばかりではありませんから、専門家が目を通すことには大きな意味があります。

企業とのコラボレーションでいえば、従業員の年齢層や職場環境に合わせて、フレイル予防、がん予防、スポーツ医学、食事指導などの記事を、ターゲットを絞って社内で配信・活用するのも有効だと思います。不特定多数に送るのではなく、その方に合った内容を届けられれば、読んでもらえて、役立ててもらえる。そんなサービスは、とても良いのではないでしょうか。

まとめ

健康・医療に関する情報があふれる今、コンテンツの正確さと信頼性はかつてないほど重要になっています。専門家(医師・歯科医師)による監修は、誤った情報が読者の判断に影響するリスクを未然に防ぐだけでなく、検索エンジンからの信頼性評価にもプラスに働きます。

株式会社メディコレの「メディコレWEB」は、専門家による監修をオンラインで手軽に受けられるサービスです。メディコレWEBについて、「オンライン完結!メディコレの医師監修サービス『メディコレWEB』とは?」でも紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

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